茜色ダイアリー

僕の日常を切り取っていきます。

Aqours 5th Day2 感想レポ

はじめに

2019年6月9日に開催された「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 5th LoveLive! ~Next SPARKLING!!~」に参加した。主に披露された楽曲について個人的感想を述べていこうと思うが、僕は昨年の12月16日にようやくラブライブ!サンシャイン!! のアニメを見始めた新参者であり、今回のライブで初めて知った曲もあるため、楽曲によってレポの熱量に差が生じてしまっていることはどうかご了承いただきたい。

 

 

個人的感想

僕らの走ってきた道は...

ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」(以下劇場版)は「僕らの走ってきた道は...」から始まる。これは5ヶ月前の僕に「この曲のラストで映画のタイトルロゴが出てきた時点で帰ってもいい」と言わせるほどの代物なので、これをライブの開幕曲にすることには何の疑問もなかった。
劇場版では、3年生が卒業し、メンバーが6人になったAqoursがひとつ大きなテーマになっている。そのこともあって、ライブにおいても最初は3年生はステージに立たず、2番Aメロで3年生が合流するという演出が見られ、劇場版へのリスペクトが感じられた。

スリリング・ワンウェイ → 青空Jumping Heart

開幕からここまでアクセルを踏んでくるとは思わなかった。
「僕らの走ってきた道は...」の後にすぐにMCに行くのではなく、何曲かやった後にMCに行こうというのは理解できるが、だからといって2曲目に「スリリング・ワンウェイ」をやっていいわけではない。

僕は「スリリング・ワンウェイ」を会場で初めて聴いたのだが、曲のイントロとアウトロの「マイ未来 トライ・トライ・トライライ ホンキデハシレ」というコールが熱かった。「僕らの走ってきた道は...」を開幕曲にすることには何の疑問もなかったが、会場のボルテージを上げるという意味で、2曲目に「スリリング・ワンウェイ」を持ってくるという采配は見事と言わざるを得なかった。

「スリリング・ワンウェイ」の後にさらっと「青空Jumping Heart」をやったのも、ただでは終わらせないぞという意志を感じさせる上手い起用だった。

逃走迷走メビウスループ → 予測不可能Driving

謎幕間を挟み、1曲目は「逃走迷走メビウスループ」。幕間は、ざっくりと言えば、よしまるがマリーのフィアンセになるために勝負していたら、なんやかんやで隕石が降ってきて爆発オチという内容で、なんでこれをライブで流そうと思ったの?と言わんばかりではあるが、この間に衣装替えが行われていると考えると文句も言えない。

僕が鞠莉推しということもあって贔屓目が入っている節はあるのだが、3年生曲だったり、後に触れる「Hop? Stop? Nonstop!」だったりを聴いていると、やっぱり鞠莉の声は映えるよなぁと感じた。
「逃走迷走メビウスループ」は基本的に楽しかったのだが、特に「ずっと自由に生きてたいって Oh year 気がついたんだ」のメロの前に来る「Go!」や「Yeah!」を入れる気持ちよさは異様だった。

「逃走迷走メビウスループ」終了後、メインステージの1塁側に突然車(のセット)が現れた。そして、3年生がそれに乗り込むと同時に「予測不可能Driving!」が流れ出した。劇場版の3年生曲→CD付前売券の3年生曲という繋ぎはある程度予想できるものの「予想不可能Driving!」の曲名、あるいはジャケットのイメージと照らし合わせた演出を用意してくるのは憎かった。

これは余談だが、「予想不可能Driving!」のサビ、涼宮ハルヒの憂鬱ED「止マレ!」のサビと似ている気がするし、BPMもほぼ同じだし、「予想不可能Driving!」→「止マレ!」というタイトルの並びが面白いので誰か繋げてほしい(他力本願)。

 

Marine Border Parasol

ライブ終了後、後述する儀式のような光景を見届け、恐ろしく混み合っていた西武球場前駅からどうにか抜け出してようやく落ち着いたというところで、ふと口ずさんでいたのがこの曲のサビだった。

パラソル 海辺の道はいつも変わらないけれど
僕らの夢の色は 変わってくと気がついた

上のメロ、そのなかでも特に「パラソル」のところが非常に印象的だった。おそらくサビ冒頭の「パラソル」の「パ」に最高音が来るのが開放感があっていいんだと思う。

ここからは余談ぎみだが、「パラソル」のリズムに合わせてブレードを振るのがあまりに楽しくて、ふと頭に「ブレードを振るのに適したBPMがあるのでは?」という発想がよぎったのでこの曲のBPMをとったら128だった。このBPM128という数字、パッと見でもキリがいいように見えるが、実は「チョコレイト・ディスコ」や「ポリリズム」などで中田ヤスタカが好んで使った数字らしいと知って妙に納得してしまった。

 

ハジマリロード

「Marine Border Parasol」終了後、3年生曲、2年生曲という流れに則るなら次は1年生曲だろうというところまでは予想できていたものの、キャストがスタンド席のバックネット裏(下画像のネット裏スペシャルシートあたり)に登場するのは予想しておらず、一瞬何が起こったのか分からなかった。

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引用:メットライフドーム施設案内|埼玉西武ライオンズ

僕はB66の12列目(上画像のL's ダイニングシート付近)にいたので、3塁側にやってきた高槻かなこさんと降幡愛さんとの距離が近くてドキドキした。というより、メインステージ、センターステージ、アリーナはどれも遠く、どうしてもキャストとの物理的な距離を感じざるを得なかった。

さて、「ハジマリロード」は中盤では随一の盛り上がりを見せた。イントロのBPM変化(155→190)や、サビの「サンシャインマイロード!」に代表されるコール群など、ライブで映える要素が詰め込まれており、会場で初めてこの曲を聴いた僕も全力でアガることができた。

 

Hop? Stop? Nonstop!

「ハジマリロード」終了後、会場には劇場版の映像が流れ始めた。しばらく見ていると、途中で「次、Hop? Stop? Nonstop! やるんじゃね...??」というのがなんとなく分かってきて、劇場版で「Hop? Stop? Nonstop!」が流れる場面の直前でそれが確信に変わった。
この演出自体はそこまで凝ったものでもないのだが、実際にやられてみると、これがなかなかに効く。というのも、この演出が用いられる部分は大抵、劇場版におけるハイライト、言い換えれば感情が揺れ動かされる部分であって、それを見ているだけでもきつい節があるのに、その流れで当該曲のライブパフォーマンスを見せられるのである。
実際に、この曲が披露されている時の僕は、曲の単純火力、演出の強さ、鞠莉推しであるがゆえの精神的ダメージなどにやられ、両手に持った紫色に光る棒を表拍に合わせて振りながら半ば放心していた。ただ、ラスサビ前の鞠莉のソロパートは割と冷静に「やっぱここ映えるなぁ」などと考えていた。

 

SELF CONTROL!!

某番組へのリスペクトをひしひしと感じる「沼点」という名のトンデモ大喜利をした謎幕間(今思えばここが最後の休憩ポイントだったわけだが)の後、「HAPPY PARTY TRAIN」→「MY LIST to you!」→「未来の僕らは知ってるよ」というセットリストで続いてきたAqours 5th LoveLive! は「ラブライブ!」延長戦に突入しようとしていた。開幕の狼煙となったのはこの「SELF CONTROL!!」だった。

アニメ1期8話の冒頭、Aqoursに圧倒的な実力の差を見せつけたSaint Snowの姿がそこにはあった。Saint Snowは、Aqoursとは対照的に2人のユニットなので、どうしても9人で踊るのに比べたらダイナミックさに欠けるし、ボーカルの圧も9人で歌うのに比べたら弱くなってしまうだろう。であるから、単純に考えればAqoursよりもパフォーマンスの迫力が劣っていてもおかしくはない。
しかしながら、曲調や追求している方向性がAqoursSaint Snowでは異なるという事実を考慮したとしても、今回のライブにおいてはSaint Snowの方が迫力があったように思う。

 

Believe again

SELF CONTROL!!」が来たとき、「Believe againやらないの?」と思っていたが杞憂だった。この曲から劇場版と同じく「ラブライブ!」延長戦が始まる。

Saint Snow楽曲が盛り上がる一番の理由は、例えば「SELF CONTROL!!」の「Dance now!!」や「Believe again」のサビに代表されるようなコールだろう。驚いたのが、我を忘れて「Dance now!!」や「Believe again」と叫んでいたら、熱に浮かされたのか自然と涙が零れたことだ。
Saint Snowが今回のライブで披露したのは2曲のみ(Over The Next Rainbowも含めたら3曲)だが、それだけでSaint SnowAqoursに肉薄するほどの実力者であることが伝わってきた。言葉ではなくステージ上での輝きで自分たちの実力を示してみせる、それがSaint Snowの在り方だと言わんばかりだった。

 

~MC2~

「Believe again」の後、ライブは「Brightest Melody」→「Over The Next Rainbow」と続き、そのままMCに入った。「いや、その2曲こそ感想を書くべきなのでは?」という意見に関しては僕も同意するが、よほど圧倒されていたのかあまり記憶が残っておらず言葉が出てくる気がしないので、割愛させていただくこととする。

Saint Snow、あるいはAqoursのキャストからのメッセージはどれも心に響くものであったが、個人的に印象に残っているのは高槻かなこさんのメッセージだろう。彼女はMCの順番が回ってくるなり、PA(?)さんに自分のマイクを切ってくれとお願いした。そして大きな声で「楽しかった」と叫んだ。前述の通り、僕は3塁側スタンドのボックス席近くにおり、センターステージからはだいぶ距離が離れていた。にも関わらず、彼女の声は僕の耳にちゃんと届いたのでとても驚いた。マイク越しにではなく自分の声で「楽しかった」と伝えてくれたことが嬉しかった。

 

Next SPARKLING!!

アンコールはAZALEAの「卒業ですね」、Guilty Kissの「Guilty!? Farewell Party」、CYaRon! の「サクラバイバイ」と続いた。そして、「サクラバイバイ」終了後、またも劇場版のラストシーンが流れてきた。
ラストシーンでは、メンバーが円陣を組んで「1!」「2!」......「8!」「9!」*1、「アクア、サンシャイン!!」という掛け声を出すシーンがあるのだが、会場では「9!」の後に10人目のメンバーであるところの我々が「10!」と叫び、「アクア、サンシャイン!!」を会場の皆全員で叫んだ。
「Hop? Stop? Nonstop!」のところで、「この演出――つまりは劇場版の映像を流す演出――が用いられる部分は大抵、劇場版におけるハイライト、言い換えれば感情が揺れ動かされる部分であって、それを見ているだけでもきつい節がある」と述べたが、劇場版のラストシーンはまさにこれで、正直、映像を見ているだけでも感動して泣けてくるのに、会場の皆と「10!」や「アクア、サンシャイン!!」を叫んだこともあって、僕は「Next SPARKLING!!」が始まる前からボロボロ泣いていた。

実は、ライブ開演前、有志の人間がある企画について声がけをしていた。それはアンコールの時に会場に虹をかけようという企画で、たとえばスタンド席の1列目から6列目の人には紫を、7列目から13列目の人には緑を、というように振る色を決め、仮にその通りに振ってもらえたならば、スタンド席に虹がかかるというものだった。
これはあくまで有志の企画であって、乗っかるかどうかは個人の自由だったわけだが、「卒業ですね」以降、会場にはずっと虹がかかっていた。僕のいた席からは1塁側スタンドの芝生席・外野席あたりがよく見えたのだが、その虹が本当に綺麗で、そして、そんな綺麗な虹がかかっているところで「Next SPARKLING!!」が披露されていることに感極まってしまって、おかしいくらいに泣いていた。

曲のアウトロで、キャストがステージから消えていくのを見届けた後の余韻があまりにも特別で、僕はしばらくの間、それに浸ることしかできなかった。

 

おわりに

最後に、ライブの後に起こったある現象に触れておく必要がある。メットライフドームでは、大抵、ライブの後に規制退場が行われる。規制退場とは、球場の出口と西武球場前駅の混雑を避けるために、出口に近い席の方から順に退場するように促す行為のことである。
普通、規制退場とはいうものの、順番に退場するだけなので特に何も起こらないのだが、Aqours 5th Day2では、たとえば「1塁側芝生席の方、退場してください」というようなアナウンスがあるたび、会場内で拍手が沸き起こり、「ありがとー!!」というような声が飛び交うという光景が見られた。
LVも含めると2年弱で15くらいの現場に足を運んでいるが、こんな現象を見たのはAqours 5th Day2が初めてだった。こんな現場はなかなか存在しないと思うし、こういう環境を作ろうと思ってもなかなか出来るものではないと思うので、出来ることなら、たとえばラブライブ!フェスや、2020年に予定されているライブツアーでもこの「現場感」が残っていればいいなぁと感じる。

*1:本当は「7!」以降が聴こえてくるのはとても感動的なのだが、これは劇場版の根幹とも言える部分でとても数行で説明できるものではないため、割愛させていただくこととする