final E1000は割とデキるやつだった
高校時代から長年愛用していたSE215がついに断線してしまった。
要は右から音が聴こえなくなってしまったのだ。
SE215はMMCXケーブルがあればリケーブルが可能なのだが、このMMCXケーブル、SHUREの純正品ですら5000円弱。正直、5000円はなかなか辛い。
そこであえてfinal E1000を手にとってみることにした。
final E1000は、final Eseriesの中で最も安く、実売価格は2500円ほどだ。
正直、2500円でどこまで出来るのかというのが気になったのだ。
以下、eイヤホンのイヤホン評価項目(高音の質、中音の質、低音の質、細やかさ、迫力、音場、遮音性、音漏耐性)を参考に、E1000の評価をしていこうと思う。
<イヤホン本体について>
final E1000は、2500円にしては付属品が豪華だ。
イヤーピースは元々ついていたものも含めて5種類あるが、実はこれだけで1000円弱する。ケーブルや本体の安っぽさは否めないが、L字コネクターなど地味にこだわりを感じられる。
<音質について>
前提として、環境はスマホ(Huawei P10)に直挿し、mp3 320kbpsをストリーミング再生という、この価格帯で想定されていそうなものにする。
まず注意したいのが、E1000自体がそれなりのパワーを必要とする点だ。
スマホ直挿しの場合は、普段より1段階ボリュームを上げないと微妙に鳴りきっていない感覚がする。
音全体の傾向としては、硬質かつ繊細で、ダイナミック型ドライバーの勢いや力強さはあまり感じない。
チューニングはカマボコ気味で、ボーカルやギターがよく映える。
高音域はAKGのような煌びやかはないものの、刺さることなく自然に伸びる。
低音域は量は無いが、音の輪郭はしっかりしていてボワっとした音にはなっていない。
音の分離が良く、サビで音数が多くなっても各々のパートが独立して聴こえてくる感覚がある。中でもシンセの表現が上手く、装飾的に使われているアルペジオが埋もれずに聴こえてくるのには驚いた。
音場はダイナミック型イヤホンであることを考えても広くはないので、音の空間的な広がりに期待するのは難しい。
<実用性について>
遮音性に関しては並のレベルだと思う。
実家から下宿に帰る特急で使ってみたが、電車内のアナウンスが鳴っていることは問題なく分かった。
音漏れ耐性に関しても並のレベルだと思う。
Huawei P10で下から2段階目のボリュームにして机の上に放置してみたが、30cmくらい離れていればほぼ音は聴こえなかった。
以上、E1000の評価をしてきたが、正直実売価格2500円なら買いだろう。
E1000は正直低音の鳴りがいい、空間的な表現が上手い、圧倒的な解像度が欲しいといったことを満たしてはくれないが、オールラウンドに使える器用なヤツではある。
付属イヤホンからステップアップする、気軽に使えるサブ機を探しているという場合は、E1000がそれを満たしてくれるかもしれない。